帰国しました

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2年間のニューヨーク暮らしに別れを告げて、先週、日本に帰国しました。
東京は暑さも盛りを過ぎて風も空も秋めいてきましたが、
近所で見つけた大好きな朝顔は、日本の夏の風景。
帰ってきたんだなあって実感します。

とはいえ、まだ自宅でも事務所でもお客様気分でなんとなく落ち着きません。
久しぶりに友達と連絡を取ったり、会社の先輩や後輩と話したり、
街でお買い物をしたりしながら、少しずつ東京での社会人生活を思い出しています。

久しぶりの日本は…

ご飯がおいしい!!!
自販機が多い!
街中や駅にゴミ箱が全然ない!
でも街は綺麗!
車が来てないのに全員が横断歩道の赤信号を待ってる!
iphoneが品薄すぎる!
服がかわいいしサイズがある!
マスクをしている人が多い!
スタバに「ショート」がある!

…そんなちっちゃなことに感動したり驚いたり。
毎日プチカルチャーショックを受けています。

なにはともあれ、ただいま☆
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# by saisaifox | 2009-09-11 15:32 | 日記

To the Arctic: 犬ぞりの旅 - おまけの写真☆ -

at randomにお送りします☆

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休憩中のRuneとTomaso。この二人のアウトドア慣れした若者たちのおかげで、悪夢の5日目も乗り切ることができました。Runeが持っている地図、休憩の度にみんなで覗き込んでルートを確認していたもの。お土産に買って、5日間の走行ルートを書き込んでもらいました♪
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おちゃめなイタリアン旦那3人衆。トイレ建設中です☆


d0143873_082281.jpgトイレセット☆

トイレットペーパー、マッチ、お手拭きの3点セットです。用を足したらスコップで雪をかけて、使ったトイレットペーパーを燃やして、手をふきふきして、完了。
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唯一の青いスコップは、飲料水用の雪堀り専門。そりにしまう時も、トイレやキッチンを掘ったり犬の糞を片付けたりするのに使うオレンジのスコップとは離します。これも私が管理していたので、トナカイ事件のときは「やばい、水スコップもなくなる!」っておそれおののいたなあ。
キッチンの裏の一角が飲み水用の雪に指定されて、土足禁止エリアとなります。ちょっと神聖な感じです。
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休憩中の家族団らんの一コマ。
Piel PauloパパがFlaviaちゃん&わんこの写真を撮ってあげています。
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次はわんこ達♪
ニラミをきかせる、わたしのリーダー犬たち。左がIndy、右がMitza。
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どすのきいたお顔のMitzaも、たまには笑顔…だけどやっぱりちょっとこわいかも。。。
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喧嘩っぱやくて凶暴だけど人なつっこくて憎めないSpot。
寝てると本当にかわいいんだけどなあ。
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Spotの隣にいながらも、いつも知的なTyson。お休み中もいいお顔☆
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この2枚は子犬のToga。いつ見てもご機嫌しあわせそうでほんとにかわいいの☆
お父さんみたいに、頼れるsled dogになってね。

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わんこたちは、お腹がいっぱいになると、遠吠えを始めます。
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誰かが始めると、みんなつられて大合唱。

わおーーーーーん。

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何かと脱線しがちなうちのリーダー達。
たのむからおとなしくRuneのそりの後ろに戻ってください…
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このときもなにげに脱線中。
雪が大好きなTogaが一人でごろごろしてます☆
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Spot & Tyson。彼らの目にも、晴天に輝く雪山はまぶしく映るのかなあ。
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晴れた日は日差しが強い!!
ニューヨークの日差しもなかなかのものですが、薄いオゾン層(?)と澄み切った空気を突き抜けてくる極圏の太陽は、雪に反射して360°から大地を照らします。ギラギラというのではなくて、カーーンという透明な感じの光です。
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「Midnight sunrise」。ひときわの静寂が辺りを支配します。


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これが、記念の地図☆
いろんなことがあったなあって、地形を思い浮かべながら思い出します。
走行距離は忘れちゃったけど、5日間で120kmくらいだったかな。

これまでに見たどんな景色よりも雄大な風景に、毎日ただただ圧倒されるばかりでした。日頃の悩みなんかちっちゃすぎてあっという間に吹き飛んでしまうくらい、どこまで行ってもひろくて白い雪原に薄いブルーの空。空気も光も冴え渡って透明で、音がまったくしない、身体が中から洗われるような凛とした清々しさに満ちた世界。そんな中で5日間を過ごすうちに、自分てほんとにちっちゃくて無力だなあって、とっても謙虚な気持ちになると同時に、そんな存在でありながらも、日々笑って怒って悩んで泣いて、夢を持ち、互いを思いやり、一所懸命に生きている人間や動物の営みって、健気であったかいなあって、「生きる」ことって素晴らしいって思えてきました。

様々なハプニングやキャンプの珍しさや楽しい友人ができたこともさることながら、この旅に参加して良かったと思うのは、そんな風に素直に思えたことでした。投げやりになりそうなときは、スバールバルの雪原と青空と犬ぞりの音を思い出してみようと思います。

ちなみに、雪原を行く手段としては、犬ぞりのほかにスノースクーターという手段もあります。雪の上を疾走するオートバイといった感じの乗り物で、これを使えば犬ぞりとは比べ物にならないほどのスピード感と走行距離を得ることができますし、ツアーとしても人気のようです。でも、これ、オートバイ同様、ものすごい爆音を発する乗り物。犬ぞりの上で味わったあの静寂と、自然との一体感は、願うべくもありません。Runeも、ヘルメットをかぶってスノースクーターに乗ると、ブルンブルン音がする風船の中に頭を突っ込んでいるみたいだから、スバールバルの良さを体験するには、絶対犬ぞりが一番だと言っていました。もしスバールバルに行かれる方がいたら、まかり間違ってもスノースクーターには乗らないでいただければと思います。日帰りや2、3泊の犬ぞりツアーもあるので、そちらに参加した方がいい思い出になること100%です。

それにしても、テントを張るのも初めてだったアウトドア初心者の私。このツアーに申し込む時にはかなり迷ったし、実際に仲間たちと顔を合わせてみると、最初はみんなに「いきなり極寒地キャンプ!?この子無謀すぎないか!?」って目で見られました。でも、いろいろ事件を起こして迷惑をかけながらも、みんなに助けてもらったり教えてもらったりして、気合いと根性で楽しく生還。毎日水&ディナーを担当したし、その他できる限りの仕事はしたし、体調も壊さなかったし、体力も問題なしだったし、最後は「I'm impressed!」ってRuneにも誉めていただきました☆
参加して本当によかった! 何事も怖れずにチャレンジ☆

ただ、ニューヨークに戻ってきて先輩とお食事をしたときに、「なんか肩と腕がたくましくなってない!?」って言われたのはちょっとショックだったなあ… 確かにそのとおりで、タンクトップを着た自分の姿に「うーむ」と思っていたのですが、他人から見ても分かるくらいだったとは… それだけ重労働な日々だったのでした。さいわい、デスクワークな生活を2週間くらいしたらすぐに元に戻ったので、ほっ☆
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# by saisaifox | 2009-08-06 15:44 | 日記

To the Arctic: 犬ぞりの旅 - Day 5 -

最初の夜には、疲労困憊で、「これから毎晩キャンプ設営に何時間もかけることになるのかあぁ…」と暗澹たる気持ちになりかけた犬ぞり旅行も、気が付けば最終日。日を追うごとにそりの操縦にもキャンプにも慣れて、みんなとも仲良くなって、本当に全てが楽しくて気分爽快であっという間に日々が過ぎて行きました。
早く熱いシャワーを浴びたい、という思いは日増しに募っていったけど。。

最後の朝。
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テントの中を記念撮影☆

結構広いし、膝をついて立てるくらいの高さもあって、思ったほどじめじめする訳でもなく、なかなか快適でした。
出発前は、みんな、自分の犬達と思い思いの時間を過ごします。私もこれまで引っ張ってくれたわんこ達に、一匹一匹ご挨拶。この子達と旅するのも今日で最後なんだなあと思うと、名残惜しい気持ちでいっぱいになります。「あと一日よろしくね」って言って、旅のゴール地点である、街外れの犬小屋に向けて出発。

相変わらずの曇り空でしたが、そりは快適なペースで滑り出します。前日距離を稼いだからこの日は楽なはず♪とみんなが思っていました。

が、2時間ほど進んだ辺りから様子が一変…
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街に近いエリアではここ数日間の気温の上昇が大きかったようで、段々雪が悪くなっていきます。春スキーみたいな重いシャーベット状の雪になり、そんな雪の層も薄くなり、さらには、雪が完全に溶けてしまって、岩がごつごつした凸凹の地面が露出してしまっているところも出てきました。あちこちに大きなぬかるみができています。
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こうなるとそりのバランスが取りにくくなるし、そり自体も傷つくし、犬達にも大きな負担がかかるし、何より、雪の抵抗を利用する仕組みのブレーキがほとんど利きません。何度も転覆しそうになったり、そりを押したりしながら、うちのチームが暴走しないことを祈って走ります。

更に進むと、湿地帯みたいなところに出ました。
私達が走っているのは、地図の上では川や湖の上だったり河原だったりするところ。冬季はそれが凍って雪で覆われるために、そりにとっては平坦な道路になっているものの、一旦解け始めてしまうとぐしゃぐしゃの大湿地帯です。
ここまでも大変な道のりでしたが、悲劇はここからでした。

最初にして最大の事件の発端はやっぱり私…
湿地帯で隊列を整えようと小休止をしたところ、なぜかうちのチームが急発進。必死でブレーキを踏みますが、雪が数センチしか積もっていないところだったので、ブレーキは空しく固い地面の上を削るのみ。全然そりを止めることができません。私もRuneも「Stop!」と命令をかけるも、犬達は止まらず、私のそりはずるずる進んで前のRuneのそりにほぼ並んでしまいました。

これは由々しき事態。
闘争心の強い犬達は、近づくとすぐに互いに威嚇して喧嘩を始めてしまいます。走っているときは意識が前に行っているのでまだ良いのですが、止まっているときの横並びは最悪で、殺すか殺されるかの全力の戦いが展開される怖れ大。隊列の後ろにいる大型犬が小さなリーダー犬に襲いかかったら、ひとたまりもなく噛み殺してしまうし、いずれにしても血みどろの戦いとなるでしょう…。そんな事態を回避すべく、普段から「車間距離」はあけておくように注意されていました。少しでも先頭の犬が前の人のそりに並びそうになったら、Runeが「Stay back」って怒鳴るし、実際に犬同士が並びかけようものなら、彼が血相を変えて飛んできて引き離しにかかります。そんなシーンが旅行中何度かありましたが、幸い大事には至っていませんでした。

が、この時は並びかけた、というようなものではなく、ブレーキが利かないので両チームの犬の半分くらいが並ぶまで私のそりは進んでしまいました。道が悪くて思うように走れないので犬達も気が立っていたのでしょうか、うちのSpotが威嚇的に吠えながらRuneのチームに飛びかかると、相手の犬も戦闘意識を全面に押し出してきました。これにつられて他の犬も吠え出し、引きずられて接近し、両チーム入り乱れての混戦状態に… 

「やばい!死者が出るかも!」と私も真っ青。Runeがそりを降りて必死で引き離しにかかります。Spotを始めとする喧嘩組をビシビシ叱りつつ、力ずくで引き離し、私のチームの先頭の犬をつかまえて、左に90度方向転換させようと引っ張っていきます。が、ここは元々は川の中。私達はちょうど中州の上にいたようですが、方向転換した先は浅瀬でした。Runeはずぶっと太ももまでぐしゃぐしゃの雪水の中に…。それでも必死で犬を誘導して、なんとかようやく先頭の犬を連れて隣の中州に上がりました。今度は前進して、残りの犬&私が乗るそり本体も続かなければなりません。私もそりを降りて、同じく太ももまでずぶずぶに浸かりながら、動かないそりを全力で押します。ぬかるみにはまった脚は抜けないし、そりは進まないし、ブーツの中まで冷たい水でいっぱいで気持ち悪いし、状況は悲惨ですが、とにかく事態を打開しようと必死です。

それでも、何とかそり全体を隣の中州の上に上げることに成功。Runeは他のチームの手当をするために、ずぶずぶと来た道を戻っていきました。私は、どこからともなく現れたTomasoくんの誘導で、雪が積もっている安全な場所まで移動。ようやく一息ついて、碇を降ろしてそりを固定します。ふと振り返ると、いつの間にか他のチームもぬかるみにはまって隊列が乱れ、人と犬とそりがずぶずぶの雪水の中で大変なことになっていました。RuneとTomasoが駆け回って犬達を引き離し、そりを安全な場所に誘導しようとするものの、そりは6台、犬は38頭、なかなか思うように進みません。

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分かりにくいけれど、これが現場です。真中あたりが、ずぼずぼスポット。

そこへ、スノースクーターに乗った地元のが2人通りかかりました。私達の惨状を見て、替えの服を貸してくれたり、犬の誘導を手伝ってくれたり、犬が暴走しないように首輪をつかまえていてくれたり、赤の他人なのに、事態の収集のために惜しみなく手を貸してくれました。
彼らのおかげで、なんとか無事に6人と38頭がぬかるみを脱出。
Runeが爽やかにお礼を言うと、彼らは颯爽とスノースクーターで走り去って行きました。
スバールバルでは観光産業が重要ということもあるのでしょうが、そういう打算では片付けられない温かい気持ちを感じて、厳しい土地で暮らす人達のあったかい助け合い精神に感激。都会に住んでいても、こういう優しい気持ちを忘れないでいたいなと思いました。

その後も、犬たちがぬかるみを走るのを嫌がってRuneの指示に従わなかったり、同じような湿地帯に遭遇してぐしゃぐしゃの雪水にはまったり、とにかく苦労の連続でした。Flaviaは途中のぬかるみにブーツを取られて最後は片足裸足だったし、Piel Pauloは大転覆を起こして全身びしょぬれになりました。もう永遠に犬小屋にたどり着けないんじゃないかしらって、体力も気力もしゅーーんて雪水に吸い取られていきます。

思い出すだけで気分がどよーーーんとするくらい大変な思いをして、でも、なんとか夕方、犬小屋に到着。
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出発したときには真っ白だった背景が、地面が露出してかなり黒くなっているのが分かります。

うれしいというより、疲労困憊で喜ぶ元気もない感じでした… 装備を解いて、荷物を片付けて、最後の夕食を犬達にあげて、最後のお別れ。でも小屋に入ると、私達にも温かいディナーが用意されていました!フレッシュなサラダと熱々のポテトグラタンに大歓声。この日はランチも食べていなかったので、みんなはふはふ言いながらがっつきました。ようやく元気回復☆とってもおいしかったな〜

わいわいご飯を食べたら、5日間私達を導いてくれたRuneにお礼タイム。
みんなで相談して、全員からということでチップをサプライズでプレゼントすることにしていました。むき出しのお札を渡すのもちょっと…ということで、Flaviaが「折り紙で箱とか作れない?」と私に提案してきました。折れるかも!昔得意だった折り紙の記憶をたぐり寄せて、紙ナプキンで角箱を作成☆ついでに鶴も折ってみたら、ちょうど角箱の上に収まるサイズだったので、これを蓋にすることになりました♪
所用で部屋を出ていたRuneが戻ってきたときに、みんなで「Thank you!」って言いながらプレゼント☆お金も箱も、とっても喜んでもらえました♪
そんな光景を眺めながら、Runeもイタリアンのみんなも、ほんとに楽しくて優しい素敵なメンバーに恵まれたなあってしみじみ。この旅が楽しかった最大の理由は、そこにあったように思います。

そして、ホテルへ。疲れ果てていたけれど、5日ぶりのシャワーを浴びて、すっきりさっぱり!生き返った心地とはまさにこのこと〜って極楽気分です。でも、久しぶりに文明社会に戻ってきて、ほっとして嬉しい反面、蛇口をひねれば水が出てくることや、スイッチ一つでパッと電気がつくことが、なんだか不思議な感じでもありました。そのありがたみをひしひしと実感します。そのままベッドでバタンキューーー

かくして、犬ぞりツアー終了☆
夢のようだったけど、鮮烈に記憶に残る5日間でした。
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# by saisaifox | 2009-08-05 13:26 | 日記

To the Arctic: 犬ぞりの旅 - Day 4 -

旅行記に戻って…
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この日も、朝はいいお天気でした♪
気温も高めで、わんこ達もなんだかリラックス☆
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キャンプの先端まで行ってみたら、目の前には足元からまったく手つかずの雪原が広がっていました。
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うーん、綺麗。気分爽快!
振り返ると、キャンプの全貌がありました。
ちなみに、右手前がトイレです。
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ひろーい雪原の中で、ほんとにささやかな人の営み。
お邪魔させていただいてます、って自然に対して謙虚な気持ちになります。

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途中から段々曇ってきて、結局一日の大半は曇になってしまったけれど、雪の状態はとても良くて、さくさくそりは進みます。この日の走行距離が、5日間の中で一番長かったんじゃないかな。

この日珍しかったのは、モレーンという地形。氷河が運んできた土砂が堆積してできる丘です。細かい石や砂が積もって、黒い丘となっていました。
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写真はないのですが、珍しい地形としては、pingoというものも見ました。
永久凍土の下にある湧き水が地上に出ようとする際に凍って、それが湧水の圧力でどんどん押し上げられて丘になったものをpingoというそうです。お茶碗を伏せたような形の黒い丘で、単独で立っているものもあれば、それが水脈に沿って数個続いている場合もありました。

雪が溶け去った崖からは、地層がよく見えました。
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スバールバル諸島は、気候変動の研究の国際的な拠点となっています。古い地層がよく保存されていて、過去の気候変動の研究に貴重な情報をもたらしてくれることも、その要因の一つだそうです。

しかしこの日もまたアクシデントが…
前回のトナカイ事件以来、さんざん「片時もそりから手を放さないように」と言われていた私達。片手さえ持っていればOKとされていましたが、①私は体重が軽くて非力なので、全力でブレーキを踏んでも自分のチームを止められないことがある、②私のチームには暴走癖がある、というハンデを抱えていたので、片手持ちは危険なことは自分でも承知していました。にもかかわらず、ついカメラ撮影のために片手持ちになってしまっていた私。だってみんな片手持ちで撮影しまくってたし…

というわけで、起こるべくして起こった第2の落下事件でした。
この日のキャンプイン直前、小休止の間にカメラを取り出そうと緩い片手持ちになった隙を突いて、何を思ったかうちのチームがものすごい勢いで急発進。あっという間に私は振り落とされて、またも空のそりを暴走させることとなりました…

ただ、今回はトナカイを追っていた訳でもないので、Runeの呼び声とともに犬たちは割とすぐに止まってくれて、前回のような大事にはならずに済みました。でも私としては申し訳ありませんの一言で、言い訳もできません。先生の言いつけを守らなかった小学生みたいな気分です。Runeのそりが止まってるにもかかわらず発進した犬たちも悪いといえば悪いのですが、やっぱり私の操縦ミスです。あは。

さすがにこれ以降、むやみに写真を撮るのはやめました。お天気もあんまり良くなかったし…

…という事件もありましたが、一日が終わって、Runeも「今日はよく走ったから、この調子で行けば明日は楽だよ」とご機嫌でした。実はそんなことはなくて、最終日は一転悪夢の一日だったのですが、そんなことはこの時点では知る由もなく、みんなご機嫌でキャンプイン♪

気付けばあっという間に最終夜です。
もうみんなすっかりキャンプ設営にも慣れて、さくさく作業が進みます。

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ディナーもばっちり!

手前のお皿は、Flaviaちゃんが残っていたチーズとクラッカーで作ったアペタイザーです☆

このチーズ、ノルウェー特製のブラウンチーズというもので、牛とヤギの乳から作られるのですが、マイルドな味でとっても美味しかった♪ 毎朝大人気のチーズでした。

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みんなでキャンプで食べる最後のディナーは、とってもおいしくて賑やかで、すっかり家族みたいな雰囲気でした。

Runeのガールフレンドの話を聞いてみたりして♪

名残惜しさを残しつつ、翌日もあるので、片付けを済ませて各自テントでおやすみタイム。
これまでは毎日速攻で寝ていた私達ですが、最後の夜ということで、自然とFlaviaちゃんとのおしゃべりタイムとなりました。過去の旅行の話からコイバナまで、ガールズトークを展開☆なかなかおもしろいお話を伺えて楽しかった!
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# by saisaifox | 2009-08-02 07:19 | 日記

宣誓式とお仕事とわたし

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受験からほぼ丸一年経った、日差しの強い今週の月曜日、ニューヨーク州弁護士として登録するための宣誓式に出席してきました。実力はさておき、ようやく正式に「ニューヨーク州弁護士」を名乗ってもいいことになります。

場所は、州高等裁判所の法廷。ドーム状の天井やステンドグラス様の窓にダークブラウンの木製調度品という重厚荘厳な造りの法廷で(残念ながら撮影禁止でした)、「裁きの場」という厳かな雰囲気が漂っていました。事務的で無味乾燥な造りの日本の裁判所とはだいぶ雰囲気が違うなあと思いつつ、弁護士登録を裁判官に承認され、宣誓を済ませてきました。

宣誓は、事務官らしき人に続いて63名の出席者全員で復唱するのですが、
「私はアメリカ合衆国憲法およびニューヨーク州憲法を遵守することを誓います」
と言うところがあります。
法律を守ります、と言っているだけだし、ニューヨーク州弁護士として登録する以上は当たり前のことなのですが、何だかアメリカという国家に忠誠を誓うことを求められているような気がして、「私は日本人だし日本の弁護士なので、それはお約束できません」って、そこだけ復唱を止めようかと思うほど、大きな違和感を覚えました。私は義務教育の半分をアメリカで受けているし、一般的な外国人に比べればこの国に対してだいぶ親近感を持っているつもりだったので、この場面で反発するなんて自分でもちょっとびっくり。今回留学してこの国で暮らす中で、日本人としてのプライドとアイデンティティが固まったということかしら、と感慨深く思って帰ってきました。
とはいえ、アメリカにもいいところはたくさんあって、好きか嫌いかと言われれば、やっぱり好きです。どの国家や文化にも長所と短所があるのは当然のことなので、いろいろな人に接して、そのいいところを吸収して、成長していければいいなと思っていますし、○○国、○○人は嫌い、という方向での一般化はしないことにしています。

それはさておき、一家総出で登録を祝う宣誓式には、コロンビアの卒業式でも感じた温かい雰囲気があって、微笑ましい儀式でした。また、特に企業法務に携わる弁護士は、収益と政治と目の前の業務にばかり目がいって視野が狭くなりがちですが、こういう節目は、社会的正義の実現という法曹の使命についてきちんと認識するいい機会でもあります。理想と現実との間にギャップがあるのはどの職業でも同じことだと思いますが、現実を言い訳に理想を忘れることがあってはならないし、自分は社会にとって必要な善いことをしていますと胸を張って言えるようにお仕事をしていきたいなと改めて思いました。自分の仕事なんて全然社会に善を生み出してないわと思いながら逃げるように留学しましたが、職業を超えていろんな人に接してきたこの2年間で、それは仕事に臨む自分のマインドと態度と行動力次第だなと思うようになりました。いろいろな選択肢が考えられますが、帰国後は、同じ仕事であっても、もっと前向きに当たることができそうな気がします。

9月初めに帰国することになったので、ニューヨーク生活もいよいよあと1ヶ月。
最後の夏、満喫して帰ります☆
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# by saisaifox | 2009-08-01 07:25 | 日記

To the Arctic: 犬ぞりの旅 - Day 3 -

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朝起きたら、3日目にして初めての本格的な青空!!
テントの外に出た瞬間、テンションが上がります♪
少し慣れてきたので、朝の準備も前日より30分ほど早く終了。
みんな意気揚々と出発!

この日はもう景色が… この一日があったから、天候への不満は全然ありません。
その混じり気のない、絵本に出てきそうな白と青に、ここは地球ができて以来人の手が入っていない場所なんだなあということを改めて思います。犬ぞり生活も3日目に入って、自然の中での人間のちっちゃさと非力さを痛感しているところでもあったし、雄大な景色を見ながら、とても謙虚で晴れ晴れとした気持ちになりました。どら焼きみたいな形の雲が印象的だったな。
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雪の風紋。
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スバールバルの年間降水量は、300mm程度なのだとRuneが言っていました。分類的には砂漠気候。Arctic desertというそうです。一面の雪を見ると砂漠というのは意外な気がしますが、これは一旦降った雪が溶けずにそのまま残っているのだそうです。この風紋を見ると、確かにこの雪は長い間表層としてここにあるんだなあと分かります。

ランチタイムもいい天気♪ Flaviaちゃんご機嫌です。
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お昼には、犬たちにはおやつとして、鶏の皮をあげます。そりからおやつを取り出すRuneに、全員から熱い視線☆
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休憩中に振り返ると…
うっすら見える一筋の青い線が、私達のそりの軌跡です。
他には何の跡もなくて、まっさらな雪原が広がるのみ。
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この日は、とても急な坂を登りました。人もそりから降りて、「Ya! Ya!」とかけ声をかけながら、後ろからそりを押します。そりはなかなか動かないし、犬達も諦め気味だし、私も一歩ごとにひざまで雪で埋もれる状況で、一人じゃ無理…と何度も思いましたが、なんとか登頂に成功。他の人達も同様に悪戦苦闘しながらも、時間をかけて登り切りました。

狭い峠を越えると、視界がばーーんと開けて、この日一番の雄大な景色が…
先頭を行くRuneが私達の方を振り返って、両手を大きく広げて
「It's grand!!」
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でも、峠越えは犬たちにもかなりの消耗を強いたようで、Runeのチームの一頭が疲労のあまり動けなくなってしまいました。

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やむなく彼をそりに乗せて休ませ、走ります。ずっと元気にならなかったら大変だな…と思っていましたが、翌日以降、彼は無事ラインに復帰していました。さすが、生粋のそり犬です。

さて、好天と絶景に恵まれて楽しかった一日も終わり。
本日のキャンプ地は、少し狭めの谷です。
いつものように円形布陣を整えて、ご飯をいただいて、ぐっすり。
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ちなみに、これは、午前1時頃の写真です。
ニコンのフィルムカメラを持参しているほどカメラ好きのTomasoくんと写真を撮っていたら、一旦は山の陰に隠れた太陽が再び登ってきました。「It's midnight sunrise!」(midnight sun=白夜。これをもじってmidnight sunriseと言ってみてます。)って大盛り上がり☆
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# by saisaifox | 2009-07-31 03:05 | 日記

To the Arctic: 犬ぞりの旅 - Day 2 -

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2日目のコースを示した地図(数字は宿泊地)。
真中のループが意味するものは… 5日間で最大の事件の記録です。
詳しくは読んでのお楽しみ☆
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テントで迎える初めての朝。
男性陣は元気に早起きだったようですが、女性陣2名は爆睡…
Runeに呼ばれて9時頃起こされると、寝る時には凍えそうだったテントの中は意外にあったか。
でも、慣れない寝袋で寝たからか、筋肉痛なのか、とにかく身体中が痛い!首も肩も背中も腰も脚も、かちんこちんです。時差もあるから眠すぎるし、早くも「あと3泊身体がもつかしら…」と弱気になります。

が、今さら後戻りはできないので、ゴールまでがんばるしかありません。なんとか起き出して、Flaviaに寝袋のたたみ方を教えてもらったりしながら身支度を整えてテント内を片付けてパッキング。水がないから顔を洗うこともできないので、ウェットティッシュでふきふきするだけで我慢します。昨夜は歯磨きも忘れて寝てしまったけど、Runeに雪で磨けばいいんだよと教えてもらって、雪を口の中で溶かしながらシャカシャカ磨きました。すっきり♪

そして、朝ご飯タイム…ですが、まずはわんこ達のご飯です。
まず犬達のお世話をしてから、自分達のことをする、というのは、道中の大切なルールの一つでした。雪原において私達は、とにかく犬の力に頼りっきり。彼らの調子が悪くなったりしたら、文字通り立往生してしまいます。だから、彼らの健康と体力の維持確保は最優先課題なのです。

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わんこたちのご飯は、基本的に1日2回。朝と夜に、ドッグフード+冷凍肉+水を混ぜたものを用意します。お肉は10kgごとの塊になっているので、必要な分だけ斧で叩いて割ります。
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自分のチームには自分でエサをあげます。みんな夢中でがっつきます!


d0143873_20313118.jpgさて、ようやく私達の朝ご飯。メニューは毎日同じで、シリアル、クラッカー、チーズ、ジャム、サラミなど。こんなサバイバル旅行中のご飯としては、なかなか豪華です。
自分の好きなものを選んで、お茶やコーヒーとともにいただきます。お湯は前の夜に沸かして水筒に入れておいたものを使いますが、食べながらお湯を沸かして、朝飲んだ分は出発前に補充します。

エネルギーを補給したら、テントをたたみ、キッチンとトイレをつぶして、いよいよ出発です。
不思議なもので、駆け回っているうちに身体もほぐれてきて、いつの間にか筋肉痛はどこかへ行っていました。

朝の出発は、一日のうちでも最も緊張する瞬間の一つ。
休養をとって栄養を補給した犬達は、一秒でも早く走り出したくてうずうずしています。気を抜いて手を緩めると、勢い余って勝手に発進する、なんて大惨事が発生しかねないので、手早く&6人でタイミングを合わせて準備をしなければなりません。私達が犬をそりにつないだり、碇を外したりしている間、出発が近いことを察した犬達は、わんわんわんわん大合唱!38匹が一度に吠えるので、Runeの指示も聞こえなくなるほどの大音量が朝の雪原にこだまします。

そして、出発!
起床してから、すでに4時間以上が経過していました。
といえば、準備の大変さが伝わるかな?
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この日も曇空の下でのスタート。
でも雲の間から差し込む光に照らされる崖も綺麗です。
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行程中一番寒い日でしたが、雪の状態は良く、そりは順調に進みました。
そろそろランチかな、と思われた頃、事件は起きました。

2頭のトナカイが私達の右側に出現して、右から左に、私達の行く手を至近距離で軽やかに横切っていきました。前日見たトナカイよりだいぶ距離が近くて、角や毛皮の色などもはっきり見えたので、私も「お、写真撮れるかな?」と思ったりして、完全にそちらに気を取られて、そりを持つ手が緩みました。同時に、私のそりが平坦でないところを通りかかって、大きく右側に傾ぎました。「おっとっと…」と態勢を立て直そうとした瞬間、多分手綱が緩んだことを察した犬達が、その狩人本能の赴くままに、突如隊列を外れて、トナカイをめがけて突進し始めたのです。あっという間のことで、私は急な方向転換にバランスを失ってそりから振り落とされました。これはやばい!と思って、「Mitza, Indy, stop!」と号令をさけびつつ、しばらくはそりをつかんだ手は離さずにずるずる雪の上を引きずられたのですが、その体勢からぐっと立ち上がって再びそりに乗るだけの腕力がなくて、結局力尽きてそりを離してしまいました。

すると、私がいなくなって荷物が急に軽くなった犬達は大興奮。わんわん言いながら、ものすごいスピードで、私達の左後方に逃げていくトナカイを追っていきます。そりから落ちて雪の上でヘッドスライディングしたみたいな状態になった私は、ひとまずRuneのそりに拾われて、普段はとても温厚な彼が「shit!」と連発するのを聞きながら暴走するそりを追いましたが、Runeの重たいそりに2人も人が乗っていては到底追いつけない、ということで、後ろのPaoloのそりに乗ってついてくるように指示されて、すごすご戻りました。そうして見ている間にも、どんどん私達と暴走チームとの距離は開いていきます。「このまま追いつけなくて、犬もそりも行方不明になったらどうしよう。私のそりに、みんなの食糧も積んであるのに… 謝って済む話じゃないわ…」。頭の中は真っ白です。「なんとかなって!」祈る気持ちで、トナカイー私のそりーRuneのそり、の命がけの追いかけっこを観戦します。ついに彼らは視界から消えてしまいました。

でも、私もここぞというところでは運が味方してくれる人生を歩んできました。
この時も。追いかけていくと、斜面の中腹に私のそりとRuneのそりが止まっていて、Runeが私のそりのリーダー犬と話しているのが見えました。「よかったーーーー」って、安堵感でいっぱいになって、ひざまである雪の斜面を登ってそりのところへ。聞けば、結局トナカイには振り切られてしまい、途中で私のそりがバランスを崩して転覆したために抵抗が大きくなって走れなくなって、ようやく止まったのだとのことでした。私は申し訳なさでいっぱいですっかり意気消沈でしたが、Runeは私を責めず「大変だったけど、もう大丈夫だよ」と優しかったし、陽気なイタリアンたちも、大幅な時間のロスに全然文句を言わず、「大丈夫?無事でよかったね」「面白いものが見られて楽しかったよ」などと温かく迎えてくれました。みんなにはひたすら「I'm sorry」と「Thank you」。いい仲間に恵まれたなあって、この時は心から思いました。

さて、この事件のおかげで来た道をUターンしたこととなりましたが、再び進路を東に向けて、一列に並んで出発です。

少し行くと、犬の食糧補充ポイントに着きました。38匹分の食糧はかさばるし重たいので、最初から全部持っていくのは無理だから、予め補充ポイントを用意しておいたとのこと。倉庫でもあるのかな、と思っていたら、いえいえ、ただ雪の中に埋めてあって、その場所がポールでマークされていただけでした。
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シャベルを出して、みんなで掘り出します。

埋めた時以降、更に雪が降り積もったらしく、掘っても掘っても出てきません。

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これだけ掘って、ようやく宝物に到達!

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掘り出したのは、

この箱と、
ドッグフード数袋。

掘るのも運ぶのも疲れた〜


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わんこ達も、たくさん走ってお疲れのご様子です。


この時、掘っている間に陽が差して、初めて青空と太陽が顔を見せてくれました!
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白い雪山と雪原に青い空。そうそう、これが見たかったの!と景色に見とれます。
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作業が終わると時間は6時くらいになっていましたが、ようやくここでランチタイム。
今日はlong dayだけど、予定通り進むためにはもう1、2時間走ってからキャンプインかな、とRuneが言いました。みんなトナカイ事件と食糧掘り出し作戦のおかげでかなり疲れていましたが、文句を言う人もいなくて、よし、もうひと頑張りだ!という空気が流れました。さすが、気まぐれイタリアンといえどもアウトドアに生きる人たち。状況を理解して、中途半端に我が儘を言う人はいません。

という訳で、もうしばらく走って、キャンプイン。
長い一日もようやく終わり!と言いたいところですが、ここから寝るまでがまた大仕事。

まず、一列に並んでいた6台のそりを、円形に配置します。その中がキャンプ地。これはシロクマ対策です。襲われたときには、まずは犬達が騒いで守ってくれるように、って。

位置が決まったら、そりを夜用に止めます。夜の間に逃げたり喧嘩したりしないように、犬をしっかり固定しなければなりません。

d0143873_455547.jpgそこで、この板を犬がつながれているラインの先端に付けて、抜けないように深めに雪の中に埋めます。これをてこにしてラインを引っ張って、ピンと張って犬が動けないようにします。これで完了。
きちんとラインを固定したら、犬が着用しているハーネスを外して、痩せている犬にはお洋服を着せて、「おつかれ〜」って言いながら犬達を楽にさせてあげます。

自分のそりの対応が終わったら、キャンプ設営。ハード面の主な作業は…

d0143873_452059.jpg◆テント張り:合計3個のテントを張ります。1人用がRune、3人用が女性用、5人用が男性用。特に5人用のテントは大きいし力も必要だし、ポールが折れないようにとデリケートな作業でもあり、見た目以上に大変。

◆トイレ設営:キャンプの風下の出口付近に穴を掘って、見えないように壁を作ります。日を追うごとに改善を重ねて、最後は壁の高さも十分で足場もしっかりした、なかなか使い易い設計のトイレが出来上がりました。

◆キッチン設営:火を使うキッチンも、風をよけるために大きな穴を掘って、その雪で壁を作ります。これも日ごとに改善を重ねて、最後にはダイニングキッチン的に使える広々としたスペースを作り出せるまでになりました。

あとは、ディナーの準備です。
まずは水!H₂Oは、すべて雪と氷の形でしか存在しない世界なので、何よりも最初に、雪を熱で溶かして水を作り出さなければなりません。初日はこのことにびっくりでした。そっか、水がないんだ…って。蛇口をひねれば水もお湯もじゃーっと出てくる文明社会に慣れきっていたので、この5日間ほど水が貴重だと思って普段の生活が有り難いと思ったことはありませんでした。

d0143873_4511957.jpgステンレスのハコの中で火を起こしたら(Primusという大手ギアメーカーのコンロで、燃料はガソリンでした)、一回り小さいステンレスのハコを火にかけて、雪と水筒に残っている水を加えて、蓋をして、溶けるのを待ちます。
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溶けたらまた雪を加えて、ハコが水でいっぱいになるまでこれを繰り返します。
最初の2杯は、わんこ達のお食事用。3杯目以降が私達の食事と翌日の飲料となります。雪もそう簡単に溶けてくれる訳ではないし、料理用に沸騰させるのにはもっと時間がかかるし、毎回シャベルで雪を取りに行くのも結構大変で、この単純作業、なかなか根気と体力が試されるお仕事です。5人の中で私が一番適任だと思われたみたいで(他の力作業には向かないし)、5日間、これは毎日私が担当していました。一度Flaviaちゃんに任せて私はテントを手伝っていたら、彼女はすぐ飽きちゃって犬と遊び始めたので、以降やっぱり自分でやることにしました。

水ができたらわんこ達に夕食をあげます。
そして、私達のご飯。ランチはフリーズドライのパックにお湯を注ぐだけですが、ディナーには、Runeお手製のシチューが毎晩用意されていました。予め仕込んでカチカチに冷凍したシチューに水を加えて鍋で煮溶かし、主食は水を加えるだけでOKなマッシュポテトかバターライス。トナカイのシチュー、タコス風そぼろ(?)煮込み、鹿肉のシチュー、ビーフストロガノフ風シチューと、毎晩手作りのおいしいお食事を頂いていました。Rune曰く、「昼も夜も、フリーズドライのパックを出す犬ぞりツアーが多いけれど、それじゃ食事が楽しくないし、元気も出ない。僕はディナーはみんなで楽しむべきだと思うんだ」。みんなで「そのとおり!ありがとう!」って感謝しました。ちなみに、水担当になった流れで、ディナーのクッキングも私が担当していました。最初はお鍋を焦がしたり、食べる頃にはシチューかライスかが冷えちゃったりしましたが、これも段々コツが分かってきて、最終日のご飯は完璧☆

いろいろおしゃべりしながらご飯をいただいて、食器と鍋を雪で洗って片付けて、翌朝用の水を沸かしたら、ようやく寝る時間です。キャンプインからご飯にありつくまでが、初日は5時間。いつも日付が変わる頃に就寝でした。毎日みるみる手際が良くなるので、最終的には3時間未満に短縮されたけど、やっぱりキャンプインは毎晩重労働だったなあ。でも段々慣れてくると、どの作業も楽しかった♬

さてさて、長くて寒かった2日目も終わりました。
つま先ホカロンを張って、いも虫みたいな寝袋にくるまって、おやすみなさい☆
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# by saisaifox | 2009-07-30 05:20 | 日記

To the Arctic: 犬ぞりの旅 - Day 1 -

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今日から4泊5日の犬ぞり旅行!
わくわくドキドキって言葉がぴったりの朝がやってきました。

まずは、冒険をともにする仲間たちをご紹介します☆

d0143873_5305539.jpgわれらがリーダー☆
ガイドのRune。
お目にかかった瞬間、おおバイキングだ!って思いました… いつも冷静で判断を間違えない、頼りになるアウトドアの達人です。
そんな彼はなんと27歳。デンマーク人で、生物学が専門の大学院生です。


d0143873_531868.jpg陽気なイタリア人3人衆。

上の写真がTomaso。

下の写真は、左からPaoloとPiel Paulo。

d0143873_5312130.jpgPiel PauloとTomasoは、ヒマラヤのK2に登頂したという超強者親子!何かと頼りになるし気配りのできる方々で、TomasoはRuneのアシスタントとしても大活躍でした。
PaoloはPiel Pauloのお友達。団体行動に不向きなラテン男ですが、いいやつなので憎めません。


d0143873_5363187.jpgわたしと同じく単独参加のFlaviaちゃん。
偶然ながら、彼女もイタリア人。親切でよく気の利くいい子ですが、ちゃっかり度も100%の末っ娘です。
毎晩同じテントで寝るのですっかり仲良くなりました。

5日間のサバイバルを通じて、まるで家族みたいに仲良くなって一体感が生まれました。楽しい人たちと一緒で本当に良かった!

さて、ご挨拶が終わると、まずは各自の装備のチェック。

d0143873_6475956.jpgスノースクーター用スーツとブーツを借りて、寝袋や防寒グッズ、トイレットペーパーや食事用ボウル+フォーク類をもらって、自分の荷物を全部出して必要なものだけを取り分けて、持って行くものを大きな袋に詰め替え。これが大変!かなり時間がかかりました…


d0143873_6474188.jpgようやく詰め終わったら
街外れのdogyardへ。

犬小屋がたーーくさん!


d0143873_6481922.jpgこれがそり。
赤い袋部分に、自分の備品と、分担された共有備品を積み込みます。

後ろのスキー板状のところが、人が乗るところです。

d0143873_6483379.jpgこれが共有備品。

食糧、調理グッズ、犬のエサ、予備の犬&そりグッズ、緊急事態対応グッズ、などなど、かなりの量と重さです。

積み込みが終わって、非常事態の際にどうしたらいいか、SOSグッズや攻撃グッズの使い方や、シロクマに襲われたときの対応方法などについてお話を聞いて、いよいよ犬をそりにつなぎます。
犬たちはすわ出番かと、もう大興奮!わんわんわんわん、大騒ぎ。

犬は縦2列につなぎます。
先頭の2頭は特別に訓練されたリーダー犬。
後ろにいくほど、大型で引っ張る力の強い犬を配置します。
Runeのそりは10頭以上、私達のそりは、体重と力に応じて5-6頭。
今回は、総勢38頭のわんこたちと一緒に冒険することになりました。

途中何度か入れ替えがあったけど、最終的には私のチームはこの5頭☆

d0143873_6493621.jpgリーダーのMitza。
凶暴そうなお顔ですが、
見かけのわりには従順。
リーダーとしてはすこーし気が散り易くて、
もうちょっと修行が必要かな?

d0143873_6494818.jpg同じくリーダー犬のIndy。
手がかからないけれど、警戒心が強い子でした。
5日目にはだいぶ仲良くなれて嬉しかったな☆

d0143873_6495944.jpgまだ1歳になったばかりで、38頭中最年少のToga。
まだ子犬だから、雪の上でごろごろするのが大好き!
かわいくてみんなから大人気だった、うちの自慢の子です☆

d0143873_6502546.jpg力持ちのSpot。
すぐに顔をべろべろなめてくる、本当に人懐っこくてかわいいやつなのですが、他の犬に対しては人一倍競争心が強くて、すぐケンカを仕掛けてしまう問題児でもありました。
d0143873_6503734.jpg最後がTyson。
Spotの隣でそりを引っ張る大型犬です。
トラブルを起こさないお利口さんでした。
銀色の毛皮もきれい☆

犬たちには毎日自分でエサをやるし、日を追うごとにだんだんなついてくれるので、どんどんかわいくなります。

さて、時間的にはもう夕方近くなっていましたが、ついに出発!
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この日はあいにくの曇り空でしたが、それだけに、空も地面も真っ白。
しばらく走ると、音のない世界が広がっていました。
そりが雪の上を滑る音と、犬たちが「はっはっ」ていう音しか聞こえません。
建物とか電線とか、人間が造ったものが、一切ありません。
そそりたつ岩と雪の谷底に、6台の犬そりのみ。
生の地球だ…
っていう、なんともいえない衝撃。

ちなみに、犬ぞりには、車に言うハンドル、エンジンはありません。犬たちがその役割。Runeが「ホイー、ホイー」って声をかけると右に、「ヴェストレ、ヴェストレ」って言うと左に曲がります。
私たちの場合は、何もしなくてもリーダー犬がRuneのそりについていくので、基本的には操縦に問題はありません。ブレーキでスピードをコントロールしつつ、スキーの要領で体重のバランスをとって転覆を防ぐだけです。ブレーキは足の下にあって、踏むと、鉄の歯が雪にささって抵抗が発生してスピードダウンする仕組み。犬の力はとても強いから、止めるときは全身の力を込めてブレーキを踏むように!と教わりました。
が、道中、体重が軽くて非力な私は、うまくブレーキをかけられずにトラブルを発生させることになります…

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いきなりトナカイの群れに遭遇!
ちょっと遠かったけど、野生の動物の姿に気分が盛り上がります♪
シロクマにも会えるんじゃないかしら?って期待も高まります。

ときどき休憩しながら走って、夜7時頃、ひろーーい河原でキャンプイン。
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わたしにとっては初めてのテント宿泊経験!
何もかもが目新しくて興味津々でおもしろかったのですが、
だいぶ長くなったので、キャンプの様子はまた次回以降に書きます。

なにはともあれ、慣れない犬そり運転(立ちっぱなし)とキャンプの設営と犬のお世話とでくたくたになって眠りにつきました。この日はずっと曇りだったので、明日以降晴れるといいねーってみんなで言い合いながら、おやすみなさい。
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# by saisaifox | 2009-06-29 07:43 | 日記